先月、大型船舶を空撮する現場があってちょっと脇汗かいた経験について
意外とドローン空撮で見落とされがちだけど超重要なコンパスキャリブレーションについてお話しします。

ドローンを飛ばす前にコンパスキャリブレーションをきちんとやっておくことって、実は安全な飛行のための基本中の基本なんです。
でもなぜそんなに大事なのか、ちゃんと理解している人は意外と少ないんですよね。

コンパスキャリブレーションって何?
簡単に言うと、ドローンの「方向感覚」を調整する作業です。ドローンには磁気センサー(コンパス)が搭載されていて、これが地球の磁場を感知して方向を把握しています。
でも、この磁気センサーは周囲の環境によって狂いやすいんです。特に金属製の物体や電波が飛び交う場所では干渉を受けやすいんですよ。
コンパスキャリブレーションはこの磁気センサーの精度を高めるために行う作業で、多くのドローンでは機体を水平・垂直の様々な方向に回転させることで実行します。

なぜコンパスキャリブレーションが重要なの?
1. 飛行の安定性が格段に向上する
キャリブレーションをしっかりやっておくと、ドローンは正確に方向を把握できるようになります。これが安定した飛行につながるんです。キャリブレーションが不十分だと、ドローンが勝手に動いたり、指示した方向と違う方向に飛んでいったりすることがあります。空撮中にこんなことが起きたら、せっかくの映像も台無しですよね。

2. RTH(Return To Home)機能の信頼性向上
ドローンの大事な安全機能のひとつがRTH(自動帰還)です。バッテリー残量が少なくなったときや通信が途絶えたときに、自動的に離陸地点に戻ってくる機能ですね。でもこの機能、実はコンパスの精度に大きく依存しているんです。コンパスキャリブレーションが不十分だと、「帰ってくるはずなのに全然違う方向に飛んでいった!」なんて悲劇が起こりかねません。

3. フライトアウェイ(墜落・紛失)のリスク低減
コンパスエラーは「フライトアウェイ」と呼ばれる最悪の事態を引き起こすことがあります。これはドローンが制御不能になって飛んでいってしまう現象で、最終的には墜落や紛失に繋がります。高価なドローンが行方不明になるなんて考えたくもないですよね。

いつコンパスキャリブレーションをするべき?
1. 新しい場所で飛行するとき
場所が変わると地磁気の環境も変わります。特に前回の飛行場所から遠く離れた場所(数十キロ以上)に移動した場合は、必ずキャリブレーションをしましょう。

2. ドローンソフトウェアの更新後
ファームウェアやアプリをアップデートした後は、念のためキャリブレーションをしておくと安心です。

3. コンパスエラーの警告が出たとき
多くのドローンアプリでは、コンパスに異常があると警告してくれます。この警告が出たら、すぐにキャリブレーションしましょう。

4. 機体に強い衝撃を与えたとき
落下や衝突などで機体に衝撃を与えた場合、内部センサーが影響を受けている可能性があります。飛行前に再キャリブレーションしておくのが無難です。

キャリブレーション時の注意点
正確なキャリブレーションのためには、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

電子機器や金属から離れる: スマートフォン、鍵、時計など、金属や電子機器を体から離しておきましょう。
電波干渉の少ない場所で行う: 高圧線や送電塔、大型金属構造物の近くは避けましょう。
丁寧に回転させる: 急な動きはせず、ゆっくりと均一な速度で回転させることが大切です。
水平面と垂直面の両方でキャリブレーション: 多くのドローンでは水平方向と垂直方向の両方でキャリブレーションが必要です。

最後に
コンパスキャリブレーションは、ちょっと面倒くさいかもしれませんが、安全な飛行とキレイな空撮映像のためには欠かせない作業です。
「今回はいいか」と省略したくなる気持ちはわかりますが、その数分の手間が大切なドローンを守り、素晴らしい映像を撮影するための保険になるんです。
特にプロの空撮や大切なシーンを撮影する前には、必ずキャリブレーションをして、安心して空の旅を楽しみましょう!